「あなたは、一生治らない」(2)
(承前)以前の同タイトルの記事で、
自分が障害を告知される立場だったら、「他の人とはこのような点が違う」という事実と「どのような工夫をする必要があるか」という方法を早く教えてもらいたかった、という趣旨のことを書きました。
でも親御さんの立場で考えると、どうなのでしょう。
(お子さんに障害があることを受け入れることは
おそらくものすごい葛藤を感じる、あまりにも大きい壁なのだろうな、とは予想できますが
今はその点について言を措かせてください。)
(また、自分は子供を持った経験がないので、人の親の気持ちなんぞわからないくせに色々言える立場じゃない、という点は全くそのとおりだと思います 以下、完全に推測です)
どうなんでしょうね?
お子さん本人に、「あなたには障害がある、他の子と同じようには(おそらく一生)ならない」と告げることは。
やはりものすごい抵抗を感じるものなのでしょうか。
本人に向かって「親が」宣言することで、その子がたとえば「欠陥品」あるいは「異常なモノ」だと確定させてしまうような?
あるいは、たとえばその子が「治る」可能性を否定するような?
もしかしたら、その子を産んだ自分を自己否定するような?
地域やおじいちゃんおばあちゃんのお考えによっては
「あまりおおっぴらに子供の障害のことを言うものじゃない」という圧力(?)が親御さんにかかってくる、ということが起こるのは理解できます。
でも、周りの大人におうちの事情を話すことと
障害の子本人に「あなたはこんな状況だ」と事実を教えることは別なはずです。
そして、障害の子本人が、長期間にわたってなんとか社会的にうまくやっていかなきゃいけない→そのためにはスキルが必要→そのためには本人が自分の特性を分かっているほうが近道、ということは事実なはずです。
それでも障害の子本人に、障害特性について教えないのは、失礼ながら
「親御さん自身がお子さんの障害について分かっていない、
またはお子さんに障害があることに納得がいっていない、
あるいはお子自身がそんなこと知らなくていいと軽く見ている」
のどれかではないのかと思ってしまいます。
要するに、自分の意見としては
「まず本人に障害特性と社会的共存のスキル取得方法を教えた方が良い、勉強が得意なのを伸ばすも芸術の才能を伸ばすもその上での話だ」
ということです。