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世界は眩すぎる

広汎性発達障害(いわゆるアスペルガー)疑いの一社会人が、自分の自閉症的な部分について書いてみます。できるだけ淡々と、「自分の認知の仕方」と「どうしてそう感じているのかについての推測」を書き出してみるのが趣旨です。

聴覚的認知が不利であることについて

c.感覚鈍麻について

       
たとえば親御さんや先生や介護者など、ASD児者に指示をだす立場の人から見て
(行動障害をのぞいて)つらいことの1つは、「話が通じているのかいないのかわからない」
ことじゃないかな、と思います。
目を見ない、頷かない、「はい」と反応はするけど行動に結びつかない、聞いてないように見える、「わざとやってるんじゃないのか」とすら思えてしまう、
それらはよく聞くケースで、そのASD児者を「可愛くない」と感じる要因でもあるようです。

ただ、、
自分は「ASD児者がわざと声掛けをスルーするそぶりを見せるのはかなり難しいのではないか」、故に「聞いていないのではなく、ほんとうに聞こえていない(正確には、認識していない)」と考えます。
聞いてないふりを「することがない」とは言いません。ただ、そういう場合は割とあからさまに見ている者にわかってしまうんじゃないだろうか。
理由を簡単に挙げますと、
1)聴覚による認知能力がとても弱い(かつ、認知した場合は全力で反応する)
2)「わざと話を聞かない」ことで相手が嫌な気分になることが、そもそもわからない
ことが主に考えられるかと思います。

以下、1)についてかいてみます。

ASDは一般に視覚優位と言われるそうですが
視覚優位の場合、聴覚刺激、つまり人からかけられる声の指示などは
そもそも「認識しづらい」ようです。

自分もおそらく視覚優位なのだと思います。
人の声は「ひと塊の音に聞こえる」というのが一番近い。
「人の声という種類の音」であることはわかるんだけど
他の環境音(車の音や、空調の音や、周囲の話し声や、いろいろな音)と同規模の音声刺激として入力されるので
「自分に向けられた情報」であることに気づかない、とでも言うのでしょうか。

たとえばPC画面上に、同じサイズのウインドウが5・6個開いていて、それらのすべてで文字・動画が流れている状態で、
「どれかのウインドウのプロパティの隅っこに『To You』と表示されているから、そのウインドウを即時見つけ、表示されている動画の内容に従いなさい…(3)」
というタスクをこなすような感じです。
(もっと言うと、タスク(3)はわざわざ示されることなどめったになく、前提として知っていることが求められる)
これ、自分からプロパティ開きに行って、さらに『To You』を見つけないといけないですよね。

そこからさらに手順があります。
自分の場合だと、音声刺激は
1、分節に分解する
2、分節ごとに含まれる有意味単語を拾う
3、文章として理解する
4、要約して要旨を拾う
という段階が必要なので、即時反応はなかなか難しいです。
頭に残った有意味単語に思わず反応してしまったり
一度ゆっくり一人で反芻しないと3以降の段階に進めなかったり
相手が早口だったりするとそもそも1→2の段階でつまづいたりします。
4まで行っても、変な風に要約して意図を取り違えることもあったり。

さらに言えば、4で正答に至った上で もう少しじっくり考えて分析しないと
「行間にこめられた意味」など考えつかない。
それはたとえば、放送で流れたひとかたまりの文章を手元の紙に書きだして、国語の問題文としてあらためて読みかえし、「この人物はどんな気持ちですか(20点)」を考えるような感覚です。
(これは「行間に何かが存在すること」や「それが感情表現的意味を持っていること」をそもそも知らない、こともありますが)


…なので、とくに困るケースですぐに思いつくのは
4)たくさんの人がいたり環境音などの刺激が多い場所で、自分に向けた声をかけられる
5)聞き取りづらい音声によって指示される(体育の時に拡声器で、など)
といったところでしょうか。
4)は、次々現れては消えるウインドウのどれかのプロパティに気づけと言われているようなものだし
5)は、音節に分解して有意味単語を拾うことができません。
一言でまとめると、集団生活向いてねぇ。

「あなたに向けて声をかける可能性がある人はこの人なので、注意を払っておかなければいけない」ということと
「意味が判らなかった場合、このように聞きなおすべきである」
という情報を最初に入力しておいてもらえたら良いと思うのですが、それはそれで難しいでしょうか。。